日本では2007年に初めて「CKD診療ガイド」が発行され、最新ではCKD診療ガイドライン2021が発刊されています。CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%以下に低下するか、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が3か月以上続く状態を言います。CKDが進行すると末期腎不全(透析治療)と心血管病のリスクファクターといわれています。しかしCKDは末期腎不全に至るまで症状がなく、症状が出たときは透析治療が必要になります。それで早期に発見して医療介入すれば末期腎不全への進行を抑えられます。「受けよう健診、守ろう腎臓」。
川崎医大腎臓内科より毎週月曜日と水曜日に診療支援を受けています。川崎医科大学腎臓内科はたいへん伝統があり、今や日本のトップといっても過言ではありません。優秀な医師の支援を受けることで、より良い治療を患者様へお届けしています。特にCKDの早い時期の患者様の治療と透析治療を担当してもらっています。
腎不全治療は食事療法から始まるといっても過言ではありません。CKDの段階に応じた適切な栄養指導が必要です。塩分制限(1日6g未満)、たんぱく質制限(1日0.8-1.0g/kg/day)が基本です。CKDのステージが進めばカリウム制限も必要になってきます。
透析患者様の日々の管理や生じた合併症の診断、治療を行います。近年は各種ガイドライン(血圧、糖尿病、CKD-MBDなど)ができておりそれに準じて治療を行っています。
2022年末に日本腎代替療法医療専門職推進協会の審査を受けて腎代替療法専門指導士の資格ができました。これによれば、末期腎不全治療は血液透析、腹膜透析、腎移植(献腎移植、生体腎移植)、上記の治療を受けずに治療するCKM(保存的腎臓療法)に分類されます。血液透析は病院でコンソールとよばれる機器にダイアライザー(人工腎臓)をつけて週3回、1回平均4時間かけ血液中から余分な水分や毒素を向く治療です。腹膜透析は自宅でする治療で、おなかの中に腹膜透析用カテーテルをいれて、おなかの中に透析液をためて治療します。腎移植は他人から腎臓をいただいて行う献腎移植と、兄弟、親子、夫婦から腎臓をいただいて行う生体腎移植があります。さらにこれらの治療を受けずに、症状に応じた保存的治療を行うCKMがあります。いずれの治療を受けるかは医療者と、患者様とご家族と十分な共有意思決定支援(SDM:shared dicision malking)を行い治療開始となります。
腹膜透析は自宅でする治療で、おなかの中に腹膜透析用カテーテルをいれて、おなかの中に透析液をためて治療します。
透析は進化を続け患者様の自宅で血液透析を行うまでになっています。つまり臨床工学技士や看護師がいなくても透析中のご家族の付き添いだけあれば、医療従事者でなくとも自宅で血液透析が可能となっています。在宅血液透析は生存率が高く献腎移植に匹敵するとも言われています。もはや病院に来なくても自分の好きな時間に好きなだけ透析をすることができるのです。当院でも6名が在宅血液透析へ巣立っていかれました。
この治療を受けるためには当院で指導をさせていただきます。
腎移植を行う上で、まず透析に導入してからゆっくり腎移植を考える、あるいは腎移植は透析を経験してからでないと行う事ができないと思っていませんか?腎移植は透析療法(血液透析あるいは腹膜透析)と同時期に考慮されるべき腎代替療法なのです。つまり透析に入る必要性は必ずしもなく、もしドナーがおり、安全に手術が可能な状態であれば透析を経ないで腎移植をすることは可能です。これを先行的腎移植と言います。また透析を経てからの腎移植よりも先行的腎移植の方が、移植腎生着率、患者生存率が良好とされております。
我々臨床工学技士は透析室での透析業務を中心に行う職種です。具体的には透析開始時のシャント穿刺、透析中の全身状態の管理、透析終了時の回収業務を行います。また、シャント管理のためシャントエコー検査や、穿刺困難者のエコーガイド下での穿刺を行っています。透析機械室での機器のメンテナンスも我々の仕事です。透析患者さんの一番近くにいますのでいつでもお気軽に声をおかけください。
透析患者さんに必要な外科手術を行います。導入時に行うシャント手術、長期透析の合併症として、手根管症候群、ばね指などがあります。
血液透析導入するためには必須の手術です。動脈と静脈をつなぎ合わせる手術で、一般的には左手首の動脈と静脈で行います。1時間程度の局所麻酔のみで行います。この手術をうけて約2週間して使用開始します。年間30-40例の手術を行っています。
シャントに対して定期的にエコー検査を行っています。その検査でシャントの流れが低下し、一部に狭窄ができているときは、風船付きカテーテルでその狭窄を内側から膨らませます。それによりシャントの流れが増えれば成功です。PTA後もエコー検査で流れを確かめます。年間40-70例の手術を行っています。
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